やまやま、マウンテン・8

この記事をお気に入りに登録しませんか!やまやま
マウンテン
・8
しばらく考え込んでいた蘭子さんが
突然話し出す
蘭子「私・・・もしかして、凄く痛い人なんじゃ
それって、周りの人間も気づいているんですか
」
透明「い、痛いがどうかはわからないけど

蘭子さんが、経営者的な発想で動いていることは、
気づいている人も多いんじゃないかな
」
蘭子「それ・・・凄く、恥ずかしいことじゃないですか
」
透明「えっ
」
蘭子「だって、経営者でもないのに、会社運営に口を
挟んでみたり、会社の取り決めにも反論したことも
あります・・・
」
透明「ま、まあ、蘭子さんの場合は、会社のことを
想って言っていることだから、ありがたいと
思う人もいるとは思うけど・・・。」
蘭子「いいえ
・・・もし、自分が会社の運営を任されて
いたら、そういう意見はウザいだけです
」
ありゃりゃ~
極論すぎる癖が出てきちゃったぞ
蘭子「私がやっていたことは、有識者に自分の想像だけで
意見をぶつけているだけのガキみたいなものですよね

私の周りは、その事をどう見ていたんだろう・・・
」
透明「蘭子さん
ちょっと落ち着こうか
」
蘭子「
」
透明「確かに蘭子さんの言うように、蘭子さんの立場で
会社の決定事項を覆すような意見を言ってしまえば、
人によっては、反発することもあるかもしれない
ただ、それをわかってくれる人もいると思うんだ
だから、全てを極端に捉えるのは、止めたほうがいい
もし、ここで蘭子さんがそのことを間違っていたと
考えているのであれば、それも違うんだ
」
蘭子「どういうことですか
」
透明「蘭子さんの意見は、貴重なもの
蘭子さんも自分の意見が正しいと思って進言して
きたんじゃないのかな
」
蘭子「そのつもり・・・でした・・・ただ・・・
」
透明「だったら、反省すべき点は、そこじゃないんだよ
」
蘭子「えっ
」
透明「蘭子さんの気持ちを、会社に伝えたいのであれば、
否定から入らず、肯定した上で自分の意見を
精査してもらえば良かっただけなんじゃないかな
」
蘭子「
」
透明「要は、伝え方だと私は思うんだ
人というのは、とかく自分の優位性を考えて
行動してしまうことが多いものなんだ
自分の意見のほうが正しいと思っていたら
なおのことだよね
でも、本当に自分の有用性を誇示したいのであれば、
その意見が通るように持ってゆくことの方が
大切になるんだよ
だから、蘭子さんの意見が悪いのではなく、
その意見を通すための伝え方や立ち振舞ができてこそ
蘭子さんの才能は評価されるということを知っておく
必要があると思うんだ
」
蘭子「伝え方・・・私は、他の人がどんなふうに
私の意見を聞いていたのか、あまり考えたことも
ありませんでした
・・・それどころか、
自分の意見が正しいと思っていたから、
きっと、皆私の意見に驚き、尊敬しているとまで
勝手に思っていました・・・それって、本当に
自意識過剰だったんですよね
」
ふ~っ
・・・一時はどこに行っちゃうか、不安だったけど、
今の蘭子さんなら、冷静に話が聞けるかな
透明「蘭子さんは、本当に能力が高いのがわかるよ
」
蘭子「えっ
・・・いえ・・・私は・・・。」
透明「これは私の意見だけど、通常はここまで話しても
自分の事を冷静に分析できる人は少ないものだよ
普通は、それでも私は間違っていない
って
キレてしまったり
相手の立場まで考えられない
ものだから、君の能力はそれだけ秀でているということ
だから、あまり自分を卑下することはしないで聞いて
欲しいんだ
蘭子さんは、会社をより良くすること、そして会社が
円滑に仕事ができるように考えて行動してきた
それは、決して間違いではない
ただ、そんな蘭子さんが評価されないのは、
その伝え方の方向性が間違っていたことと、
周りの人を納得させることができなかったこと
だけだと思うんだ
」
蘭子「周りを納得させる
」
透明「そう
会社というのは、一人で回すものではないよね
同じ会社の人たちもいるし、取引相手もいる
そういった人たちの中で、自分が評価されるために
頑張ることは、決して一人称ではない
ということなんだよ
」
蘭子「えっ
どういうことですか
」
透明「蘭子さんは、自分が頑張れば評価されると思い込んで
いないかな
」
蘭子「は、はい
」
透明「それじゃぁ~、評価してくれるのは、誰だろう
」
蘭子「あっ
」
透明「蘭子さんの評価は、人がしてくれるんだよ
」
蘭子「
」
透明「自分の持論を振りかざしても、所詮評価をくれるのは、
他者でしかないんだ
もちろん、自分のことを自画自賛して
自己満足で生きてゆくこともできるけど
そこには自己評価という概念しかなくて、
狭い世界だけの評価で生きてしまうから、
物事の真意には何時まで経ってもたどり着けない・・・。
自己評価は決して悪いものでないのだけど、
そこに自信があるのであれば、他者を恐れず
自分の評価を委ねてみることが大切で、
相手が自分を評価をしてくれることにも感謝できるようになる
そこには大きな学びが用意されているものなんだ
」
蘭子「・・・そっか・・・私を評価してくれるのは、
私じゃないんだ
・・・相手の評価と自分の評価は、
同じでは無いですものね・・・。
私・・・そんなことにも気づいていなかった
それに今、先生が言ってくれたことで、気づいたことが
あるんです・・・否定されたら、バカにされたら、
評価されなかったらどうしようって、
常に考えて行動していたのは、人の評価が恐かったのかも
しれません・・・だから、自分は間違っていないと思える
ことに関しては、引くことができなくなっていたのかも・・・
」
この子は、本当に優秀だ
私でも、ここまで話されたら、混乱する自信がある

蘭子「先生・・・私は、どうすれば評価される人間になりますか
」
透明「それは、簡単なことだよ
」
続く・・・。
昴と透明先生のお店
Guardian Jewelry Access
是非ごらんください
おすすめのお店で~す
是非役立ててくださいね
ポチしてくれると励みになります





ポチッとよろしくお願いします



