異世界冒険譚・10

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異世界冒険譚10

口は大きく裂け、赤い眼の奥には

なんと表現したらよいのかわからない

禍々しき気が感じられる・・・。

身体の大きさは1.5メートルほど、

その体躯は、我々の世界で言うところの

トラにも似た肉食獣のような、しなやかな

筋肉を有しており、その頭は・・・。

透明「・・・ヤギ

いやいやいやなんか、オカシクないですか

どう見ても、肉食系の身体なのに顔が草食とか

筋肉質のヤギとか

ちょっと、今までの概念では追いつかないんだが

透明「・・・・。」

ちび「透明やるぞ

やるぞと言われましても・・・なんだろう

異世界最初のバトルのイメージが~~~~

ちび「透明、ビビるなあいつは、この森の中でも

   上位種だが、幸い一匹だ

   なんとかなる

透明「い、いやビビっているわけじゃ・・・

   (´Д`)ハァ・・・・うし気を取り直して

バトル開始

ちびにゃの噛みつき攻撃 50ダメージ

ヤギトラの頭突き攻撃 ちびにゃヒラリとかわす

ちびにゃの体当たり クリティカルヒット

            100ダメージ

ヤギトラ気絶

ちびにゃの噛みつき攻撃 50ダメージ

ピロピロンヤギトラを倒した

透明「・・・・・。」

ちび「はぁはぁ・・・透明~~~

   なんで戦わないんだよ~~~~

透明「い、いや、その・・・戦意というものが

   何故か燃えずにおりまして・・・。

   え~っと・・・バトルも地味と言いましょうか、

   なんといいましょうか・・・

ちび「・・・何を言っているんだ

   でも、これは全部オイラのだからな

   お前も喰いたきゃ、自分で戦わないといけない

   からな

   それが、この世界だ

フンフンしながら、ちびにゃがヤギトラに近づく

次の瞬間

ヤギトラが煙のように消えてゆく

ちび「はぁ~お腹いっぱい

透明「えっいま、食べたの

ちび「えっああ~人間にはよくわからないか~

   こいつらは、魔素の塊だから、魔素を崩す

   つまり、戦いに勝ったら、魔素が霧散するんだ

   それをオイラがいただいたんだよ

透明「ほぉ~~~なるほど~

   よく構成はわからないけど、戦っても血も出ない

   のは助かるなぁ

ちび「でも、透明は怪我するから、注意したほうがいいよ

透明「あっ、そっか私だけ血をみるのね・・・注意します

ちび「はぁ~お腹もいっぱいになったし、

   そろそろ行こうか~

透明「んっ

ヤギトラのいたところで何かが光っている

透明「こ、これって

ちび「ああ~それが魔素の核だよ

透明「宝石みたい・・・あれこれって・・・核石

   そう言えば、ちびにゃも宝石から生まれたよね

ちび「オイラ達は、媒体となる、こういった鉱物や自然素材に

   魔素が溜まってできた存在なんだ

   だから、魔素が霧散すれば、その核となるものが

   残るってわけ

   それに、魔素が溜まるモノというのは、その核自体

   も力があるものだから、町でも買い取ってくれて、

   再利用できるんだ

透明「へぇ~それはエコだねぇ~

ちび「エコ

透明「いや、何ていうか、二度おいしいというか・・・。」

ちび「よくわかんないけど、まあ、そういうことだね

透明「

ちび「

な、なんだ、この気配は・・・。

        続く・・・。

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