原点へ・・・。・6
原点へ・・・。・6
「スパン」
村人「おお~~~」
「スパン」
村人「また当たった
本当に雪乃は、弓の名手じゃなぁ~」
あの祭事から三ヶ月・・・。
私は師匠に教わっていた弓の練習に力を入れていた
雪乃「(私が、みんなを守るんだ・・・。)」
14歳の私には、あの日の兵助の言葉を飲み込むことが
できなかった・・・人に伝えることができない
苛立ちは、いつしか、自分が皆を守るという
強引な考えでネジ曲げ、自分を保っていたのかも
しれない・・・。
「おお~雪乃殿
なかなか、見事にございますなぁ~」
雪乃「これは、大内様いらっしゃっていたのですか」
大内「うむ 村の地の理を覚えておきたくてな」
雪乃「そ、そう・・・ですか・・・。」
この大きな男性は、この地を統べる城主の元、
侍大将として名を馳せていた方だ
大内様は、農民の出ということもあり気さくな方で、
僧正様の進言により快くこの地を巡回してくれていた
そんな大内様が、私に耳打ちをする
大内「(そんな顔をするな~備えあれば憂いはなしじゃ
心配せんでも、戦は起こらんよ
今のところ、そういった動きもないでなぁ~)」
雪乃「(ほ、本当でございますか)」
大内「(ああ本当じゃそれに、儂らがついておる
安心して神事を務められよ)」
雪乃「(ありがとうございます)」
抱えきれない不安・・・不穏な占い結果を導き出した
という罪悪感から、押しつぶされそうな心を、
救ってくれる大内様も言葉は、今の私には唯一の光に
感じていた
大内「ところで雪乃殿今度、儂と弓で勝負してみんか」
雪乃「勝負ですか」
大内「ああ」
雪乃「くすっわかりました
しかし、勝負となれば、私も本気でお相手しますが、
よろしいですね」
大内「おお~くわばらくわばら
神弓の巫女の本気となれば、儂も心してかからねば
ならんなぁ~がはははははっ」
村人「おお~これは見ものだぞ~」
神主「コレ雪乃大内様に何ということを」
大内「よいよい儂は、本当に雪乃殿の弓が好きでのぉ~
武人として、一度お手合わせをしたかったのじゃ」
神主「しかし、大内様本日は」
大内「おおそうじゃった
天岱殿を待たせてはいかんかったなぁ~
残念だが、雪乃殿勝負はお預けじゃ」
雪乃「はいまたの機会に」
大内「ではな」
そう言うと、お師様と大内様は、社へと入っていった・・・。
僧正様もいらっしゃっている・・・中で、一体どんな話が
気になってはいたが、盗み聞きできるわけもなく、
私は黙々と弓を引いていた
そんな毎日が続き、田畑が黄金色に輝く頃、
それは何の前触れもなく近寄ってきていた・・・。
続く・・・。
透明「みなさんにお知らせです
ここからの、3話は、少し辛いシーンが続きます
もし、苦手な方がいらっしゃいましたら3話分を
飛ばして「原点へ・10」から続きを読んで
いただけましたら幸いです
なるべく、ソフトにはしているのですが・・・
何卒、ご協力のほど、お願いいたします」
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