原点へ・・・。・5
原点へ・・・。・5
雪乃「兵助」
兵助「・・・わ、わかったよ
でも、これはあくまでも、俺の考えだから、
わからないけど」
雪乃「それでも良いから」
兵助「・・・考えられることは、二つ」
雪乃「二つ」
兵助「ひとつは、獣害」
雪乃「」
兵助「作物が増えれば、それを求めて山から
獣が降りてくることが増える
そのことで、怪我をする者、犠牲となる者が
でる可能性はある・・・しかし、これは裏を返せば、
対策ができることで、普段手に入らない革や肉を
手に入れる好機にもなり得るから、獣害の可能性は
低いかもしれない」
雪乃「それじゃぁ~、もう一つの方ってこと」
兵助「・・・考えたくはないけど・・・。」
雪乃「もう勿体つけないで、教えてよ」
兵助「・・・もう一つの可能性は・・・人害だよ」
雪乃「人害?」
兵助「・・・要するに、山賊や野盗の類に狙われる
可能性がある」
雪乃「えっ」
兵助「でも、これも考え方としては、まだ良い方か
最悪の考えとすれば・・・戦(いくさ)かも・・・。」
雪乃「こ、ここが、戦場(いくさば)になるってこと」
兵助「ああ・・・。」
雪乃「でもまさか」
兵助「・・・世は、泰平に向かっているけど、
小さな小競り合いは、未だに続いている
昔のような、大きな戦はないが、小さな戦は、
今でも耳にする・・・。
そして、戦となれば、兵糧が必要となる
もし、豊作の噂を聞きつければ、それを奪おうと
争いが起きても不思議じゃないんだ」
雪乃「そ、そんな・・・だったら、そのことを皆に
伝えなくちゃいけないんじゃ」
兵助「・・・雪乃
お前は、まだ人の心の闇を知らないんだよ」
雪乃「えっ」
兵助「お師匠様が、お前の口を塞いだ理由は、
この占いを導き出したのが、お前だという
ことにあるんだ」
雪乃「どういうこと」
兵助「・・・人というのは、弱い生き物なんだよ
・・・中には、この結果を導き出した
お前が悪いと思う輩もいるかもしれない」
雪乃「そ、そんなこと」
兵助「あるんだよもし、そこに多くの人が賛同すれば、
お前は、ここには居られなくなる
最悪の場合は・・・。」
雪乃「・・・・で、でも、村のみんなは、いい人ばかりだよ
兵助みたいに穿った見方をする人は」
兵助「だったら何で、お前の師匠や俺の師匠が、
占いの結果を皆に隠したんだよ」
雪乃「」
兵助「雪乃・・・辛いかもしれないが、
人を信用しすぎるな本当にこのことは、
他の人に話してはダメだぞ」
雪乃「・・・そんなことって・・・」
若い私には、理解できない考え方だった・・・。
人を信用しすぎてはいけない
どういうこと
私は、神様からの啓示を伝えただけなのに・・・
その日は、頭が混乱して、一睡もすることが
できなかった・・・。
そして時間(とき)が流れて行く・・・。
続く・・・。
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