異世界冒険譚・33

異世界冒険譚33

この後も、セミの幼虫カミキリムシ

のような昆虫型の害虫が襲ってきたが、

ことごとく、返り討ちにする

透明「しかし・・・・結構、奥まで

   来ましたよねぇ~

   どこまで続いているんだ~

ちび「でも、そろそろじゃない

   そうじゃないと、木の真ん中

   でちゃうよ

エレ「・・・もう少し・・・。

   この穴は、王樹の中心辺りまで

   伸びていると言われている・・・。

   そして、最深部には、この穴を

   掘り進めた害獣がいるはず・・・。」

透明「えっこの穴って、掘り進めた

   ものなの

   ということは・・・。」

エレ「見えてきた・・・最深部だ

目の前には、一際大きな空間が広がっている

もし、この穴を大きくした害獣がいるのであれば、

その害獣の大きさって・・・。

エレ「しっ隠れろ・・・。」

透明「・・・・。」

ちび「

木の陰、もとい、元々大木だから、

木の節に隠れた私達の目の前には・・・。

透明「で、でかい

その大きさ、約15メートル

大きな獅子のような赤いタテガミを有し、

しっぽには、見るからに毒がありそうな

針がついている・・・足には毛がなく、

昆虫のような6本足、爪は木に食い込むほど

鋭く、その上、顔はゴブリン、

そして牙が蟻のように鋭く頑丈そうだ

ちび「な、な、な、何だよアレ

エレ「・・・・。」

透明「マンティコア

エレ「

ちび「マンティ

透明「ああ、こっちの世界での話だけど、

   でも、伝承されている姿より、

   もっと醜悪な姿をしている・・・。」

そうかこちらの世界に来てから、

害獣と向き合うたびに感じていた感覚・・・。

これって、もしかして、どの害獣も

元の世界の悪魔の使い魔に似ているんだ

エレ「透明・・・右から・・・。」

透明「・・・いきなり、いきます

エレ「奇襲するしか、勝ち目がない・・・。

   その上、あいつは魔法を使ってくる

透明「でしょうね・・・この木の感じは、

   炭化した後っぽいですから・・・。」

生木を炭化させるとなると、相当の高温が

予想される・・・

それでも、一気に燃やさないのは、

空間の酸素が失われるのを拒んでいる為・・・。

ならば、そこまで大きな炎は使えないと

見ていい・・・それよりも気になるのは、

あの毒針

アレがどのように動いてくるかによっては、

動き方が変わる・・・。

エレ「行くぞ

って、もう出てるし~~~~っ

私は、急いで右側へ走り込む・・・。

マンティコアは、最初にエレさんを捉えたようだ

透明「チャンス

マンティコアの背後がガラ空き

思いっきり、拳を握りしめ、相手の正中線上に

拳を叩き込もうとする

透明「生物は、必ず正中線上に急所がある

   当たれ~~~~

バシュッ

透明「

いきなり、急ブレーキ

ザザ~~~~ッ

勢いあまって、身体が流される

しかし、すぐに体制を立て直す

透明「聞いてないよ~~~

   飛ばすか普通~~~

私の動きを止めたのは、尻尾の先についた

毒針

それが、いきなり噴射された

透明「マジか弾丸装備とか、

   死角がないじゃないか~~~

エレさんは、マンティコアと交戦中

このままじゃ、力負けしちゃう

何とかしないと

透明「(落ち着け・・・考えろ・・・。)」

針をかわしながら、集中・・・。

エレ「透明

透明「

いきなり、エレさんが何かを投げた

私は、エレさんの投げたものを拾いに行く・・・。

透明「えっこれって

その時

ザクッ

マンティコアの尻尾が、私の背中に

     
        続く・・・。

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