異世界冒険譚・27
アカツさんが、詠唱を始めている・・・。
透明「う~んと
言っていたけど
地味に痛いよねぇ~
ちょっと、嫌だなぁ~
よし
ちび「透明
私は、意識を落とし込み、指を二本立て、
場に円を描くように身を回転させ、頭の中で詠唱する
アカ「いくぞ
透明「
アカツさんのいる場所から、強い風が押し迫ってくる
突風
すり抜けて行く・・・。
アカ「・・・・
透明「・・・・
あれ
ちび「と、と、と、透明
透明「はい
ちび「お、お前、今、何したんだよ~~~
透明「えっ
向こうから、アカツさんが走ってくる
アカ「い、い、い、今、お前
透明「
ちび「ア、アカツ
アカ「は、はい
透明「ご、ごめん、一体何に驚いているのか
全く理解できないんだけど・・・
ちび「い、今、お前の周りに壁が
透明「えっ
アカ「お、お前に、魔法が届いていない
透明「えっ
もしかして、結界とかも
ちび「空間に壁とか・・・もう、よくわかんない
透明「ええ~っ
私は、眼を白黒させているアカツさんとちびにゃに、
結界の説明をする・・・。
アカ「・・・ご、ごめん、理解が追いついていない
しかし、お前の場合、魔法の耐性とか、
もうそんなものは、超越していることが
よく分かったよ
とにかく、合格だ
すぐにでも、エンヤの町に向かってくれ
透明「は、はい・・・
ちび「・・・・。」
そう言うと、アカツさんは、協会の建物へ入って
行ってしまった・・・。
ちび「はぁ~
透明「う、うん・・・ちょっと、まずったかなぁ
ちび「う~ん
透明「分かってる
私がいた世界でも、あったことだから
アカツさんの最後の表情・・・。
強い力は、時として恐怖の対象となりえる・・・。
私がアカツさんと同じ立場なら、きっと同じような
表情になってしまうかもしれない
透明「さてと
エンヤに向かうとしようか
ちび「う、うん
透明「んっ
ちび「おいらは、変わらないから
おいらは、透明が怖くないことも、優しいことも
知ってるから
しないで・・・。」
透明「うん
それからしばらくして・・・。
私達は、宿屋のおかみさんに挨拶をし、
町で必要な物資を買い集めた後、
早めに町を後にすることにした・・・。
透明「
町の入り口に着いた私達に、声をかけてくる
人物が・・・。
ちび「ゴ、ゴル
ゴル「お前、水臭いじゃねぇ~か
これから、すぐエンヤに向かうんだろ
送っていくぜ
透明「えっ
ゴル「なぁ~に、遠慮してるんだよ~
何があったか知らねぇが、アカツさんから
伝言だ
「すまなかった
それに、仕事を済ませて気が向いたらでいいから、
ぜひ、帰ってきてくれってさ
透明「アカツさん
ちび「透明・・・良かったね
透明「うん
ゴル「ということで、俺はお前をエンヤまで無事に
送るという仕事の依頼を受けたというわけだ
だから、俺の依頼のためにも、お前を送って
いかなくちゃなんねぇ~んだ
四の五の言わずに、送らせろ
透明「そっか
・・・・ありがとう、ゴルさん・・・。」
ちび「ゴル
ゴル「ささっ
透明「えっ
私達は、ゴルさんの運転する空挺で
エンヤの町に送られることに
エンヤの町までは、空挺でも2日かかり、
その様子は、みなさんの想像にお任せします・・・
透明「・・・うぷっ・・・
続く・・・。
ポチしてくれると励みになります