あんぎゃ~~~っ・21
あんぎゃ~~~っ
幻獣という言葉は、あまり耳慣れないかも
しれませんよね
本来、神獣は神が創造した使いとして
その神の能力の一部を模写した存在です
しかし、幻獣というのは、神の力の一部を
引き継いでいる人間が作り出すことができる
存在と言われています
こう考えると、神の力の一部を模写している
人間も、役割をもった神獣に近い存在なのかも
しれません
そして、そんな人間が作り出した神聖な存在である幻獣は、
人間の純粋な心に呼応し産まれる特殊な存在
昔から地域やテリトリーを持ち、そこに永劫の力を
与え続けるものと言われています
もちろん、人間の引き継いだ力は、神のそれとは
比べるに値しないほど小さいものですが、数多くの人間の
純粋な願いや想いが集まることで神の力が発現される
奇跡のような存在だということだけを、ここでは理解して
もらえればと思います
そして、何故私がこの存在を前に、大チャンスと言っている
かというと・・・。
これは、本当に私的な欲求になるので言いづらいのですが
呪術を学ぶものからすると、幻獣のお力をお借りできる
というのは、まさに大チャンスなのです
実は、呪術というものには、媒体となる物の他に、
根源の力とされる要素が必要となり、この根源の力は、
一定の契約によって得ることができるのです
特に、呪符などの作成には、こういった霊格の高い存在や
神仏の加護がなければ、発動すらすることが出来ず、
媒体だけでは、ただの紙切れに過ぎません
そういう意味でも、特化した特定の強い力のある幻獣の力は、
呪符を扱う呪符師にとっては、ヨダレが出るほど
会いたい存在なのです
もちろん、お力を得られるかどうか
透明「あ、あの~
応龍「
透明「応龍さんのお力って・・・。」
応龍「・・・呼応・・・安寧・・・防災・・・。」
人の願いに呼応するから、応龍か~~~
うわ~~~~っ
欲し~~~~~~いいいぃぃぃぃ
いやいや
取り敢えず、今までのことを説明しないと
透明「長々と、失礼しました
応龍さんに伝言を頼まれているのですが、
聞いていただけますでしょうか
応龍「船魂・・・・信じた・・・聞こうか・・・。」
私は、寺泊であったこと、そしてその空気感の違いを
説明し、私が視てきたものを感じてもらう
応龍「ふむ
透明「足りない
応龍「わし・・・人の心・・・望み・・・大切・・・。」
透明「幻獣は、人の心に寄り添った存在ですから・・・んっ
足りないというのは、もしかして・・・
応龍「安心は・・・いい・・・・不安は・・・悪い・・・が、
当たり前・・・良くない・・・。」
透明「なるほど
やっとわかりました
応龍「望まれない・・・・力・・・ふるえない・・・。」
そうか
望まれないことは出来ない
今の時代は、平和であることが当たり前になってしまって
いるから、平和を純粋に望むという行為自体が少なくなって
いるということになるのか・・・・これは、難しいぞ
安心して暮らして行けることは大切だ
もちろん、不安を抱いて毎日を過ごすことも良くない
毎日訪れる日々の中で、自身の不安や安心はあるだろうけど、
大きな流れとしての平和を心から望むというのは、
意識しないと中々できないことなのかもしれない・・・。
応龍「災い・・・防ぐ・・・難しい・・・。
和・・・望む・・・簡単・・・どうして
透明「難しい問題ですね
私は、この難題について、悩んでしまっていた
透明「(平和であることは良いことだし、無理やり
平和を願わせるというのも違う気がする・・・。
でも、考え方を変えてみれば、平和であるからこそ、
自身のことで悩めるんだよなぁ~
そういう意味では、私自身の平和に慣れてしまって
いるのかもしれない・・・・う~ん
皆さんなら、応龍さんにどう答えてあげますか
続く・・・。
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