あんぎゃ~~~っ・14
あんぎゃ~~~っ
夕日がひなちゃんを照らし出す・・・。
キラキラと光りの粒が、天に舞い上がっている
ように見える・・・。
ひな「お兄さん・・・ありがとう・・・
透明「ひなちゃん
私は、ひなちゃんが生まれて来てくれた
こと、絶対に忘れないから
ひな「うん
夕日がひなちゃんの影を包み込んで行く・・・。
それを見送る私の目には、涙が溢れ出していた
揚羽「・・・ご主人・・・大丈夫ですか
透明「うん
揚羽「・・・いっちゃいましたね
透明「ああ
揚羽「・・・ご主人は、最初から気づいていたんですよね
透明「もちろん
揚羽「なら、何で
ご主人を道連れにしようとしたのに
私なら、一気に祓っちゃいますよ
それに、あれは地縛霊ですよ
あのまま、ほおっておけば、他にも
巻き込まれる人が出てくる可能性も
あったんじゃないでしょうか
透明「揚羽
しまえば、あの世で後悔をしてしまうんだよ
揚羽「でも、本体じゃなく、思念体ですよ
透明「それでもだよ
あの子の、ここに残ってしまった思念体は、
後悔と悲しみを一身に背負っていた
すでに、あの世にいるひなちゃん本体は、
きっと、そのことで救われることなく、
後悔していると思う
でも、思念体のあの子が、あの世にいる
ひなちゃんの元へ帰ることができれば、
きっと、その後悔も埋めることができると
思うんだ
揚羽「はぁ~
透明「くすっ
揚羽「・・・もし、あの子が実体だったら、本当に
連れて行くつもりだったんですか
透明「当然
揚羽「人間の世の中だと、正しいことでも、色々と問題も大きく
なってしまいますよ
透明「それでもだよ
あの子の自由の為であれば、私はその都度対応する
覚悟はあるし、何よりも大切なのは、そんなことじゃないんだ
揚羽「
透明「それはね
それさえあれば、私はいつでも救うために最善の努力をする
揚羽「はぁ~
透明「ブレるぐらいなら、こんなことしないよ
揚羽「・・・・もっと、早く会えたら良かったですね・・・。」
透明「そうだね・・・
六羽「ご主人たま~
透明「
六羽の指差す先に、夕日に照らされた何かが光っている
透明「これって・・・。」
揚羽「あの子が、していた髪留め・・・。」
私は、その髪留めを拾い、ひなちゃんの思いを受け取る
六羽「どうするの
透明「これで、供養ができるな
もう少し、ひらけた場所の星が綺麗なところで
埋めてあげよう
六羽「うん
揚羽「はぁ~
透明「まあ、そう言うなよ
旅は道連れ、世は情け・・・昔の人はよく言ったもんだ
私は、広い広場になっている草原を見つけ、
ひなちゃんの形見を星の見える場所に埋める
透明「ひなちゃん
そう言うと、ひなちゃんの供養を始めた・・・。
広い広い宇宙にチッポケだけど、輝き続ける
命の為に・・・・。
続く・・・。
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