あんぎゃ~~~っ・8
あんぎゃ~~~っ
巨大な化け狸が足を止める
透明「う~ん
揚羽「多分、妖精の方かと・・・。」
化狸「・・・・。」
透明「どうしたの
化狸「ど、どうして、怖がらない
六羽「こわ~~~い~~~
六羽さん、天然で相手を刺激しないでください
化狸「くううぅぅぅ~~~
突然、化け狸が襲ってくる
しかし、誰も反応せず、化け狸だけが
私達をすり抜けて行く
化狸「何でよ~~~っ
おかしいでしょ~~~~っ
揚羽「・・・だって、幻覚ですし
本体は、小動物ですから
透明「捕まえた
化け狸の本体となる、本当の狸に取り憑いている
主犯を、指でつまみ上げる・・・
透明「こらっ
チクっちゃうぞ
急に血の気が引いてゆく主犯さん・・・
揚羽「やっぱりこの子、夜の属性ですね
闇の属性の妖精は、大きく2種類に分かれる・・・。
ひとつは、前にもお話した、人に直接害をなす妖精
もうひとつは、光から派生した闇で構成された
夜の妖精
そして、この子達の特徴は、少し霊感があれば、
実際に言葉が交わせたりする特徴があり、
とにかく自由すぎる傾向が強い・・・
透明「それで
したんだ
闇精「うっ
六羽「ご主人たま~
わかったの~
揚羽「ハゲじゃなくて、バケです
透明「化け狸や化け狐の正体の大半が、低級霊憑きか
妖精憑きで操られていることが多いんだ
もともと、小動物は警戒心が強いだろ
それは、裏を返せば、そういったものに
取り憑かれ、影響されやすいということでもあるんだ
六羽「そっか~
揚羽「む、六羽先輩・・・ワザとですか
透明「そうだね
いるからね
でも、そんなハゲ狸でも、
妖精憑きは、初めて視たよ
揚羽「ううっ
闇精「ううっ
透明「昴とは、キョウダイの仲だよ
闇精「ひぇ~~~~~っ
昴きゅん
闇精「・・・・王様に言う
透明「まあ、今回は私に対してだから気にしないけど、
もし、他の人にやってたら許さないかもね
闇精「ううっ
透明「クスッ
但し、次にやったら許さないからね
闇精「うん
透明「でも、本当に何であんなことしたんだ
人を怖がらせても、意味ないだろう
闇精「実は・・・。」
妖精曰く
最近、近くの森で木が切り倒されていることで、
動物たちの住処が減っているらしい
それと同時に森の綺麗な水や空気が汚され
どうしてもそのことが許せなかったらしいのだが
透明「気持ちはわかるよ
そこは、妖精王に任せておいたほうが良い
あいつは、自然を守る為に色々な努力や活動を
しているし、お互いが共存できるように、
いつも考えているから・・・。
もし、君が今みたいなことをしてしまえば、
この森も事故や事件が多いという理由で、
伐採の対象になってしまうかもしれない・・・。
納得は行かないかもしれなけど、君たちの王様の
力を信じてあげてくれないかな
闇精「・・・わかった・・・。」
ホッ
でも、この子の気持ち、動物たちの気持ちを考えると、
いたたまれない
六羽「ご主人たま~
透明「あっ
動物には、人間の食べ物は濃すぎるから
え~っと
六羽「わ~い
ある意味被害者の狸さんに食べ物をあげる式神二人・・・。
何ともシュールな光景だ
この後、折角のチャンスなので、闇の妖精に森のこと、
動物たちのこと、妖精たちのことを色々と教えてもらい、
明け方が近づく頃に、仮眠をとることにした
続く・・・。
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