感受の法則・14
透明「この子が・・・
智則「そ、そうです
・・・なるほど
とって、試練になるかもな・・・。
智則「これって・・・どういうこと
・・・ですか
透明「・・・・。」
眼の前に広がる光景は、彼女が話していた
ものとは、格段に違っていた・・・。
一見、仲の良い両親・・・幸せそうな姉夫婦、
楽しそうに庭を駆け回る子供達・・・。
それを笑顔で眺めている相談者
智則「も、もしかして、これって、
彼女の過去ですか
透明「霊感に、そんな能力は無いよ
これは、今現在の時間を過ごしている
彼女の光景だよ
智則「う・・・うそ・・・だろ・・・。」
透明「ふ~っ
やれやれ
違和感・・・霊が引き起こす事象とは違うこと
不幸が連続で起こることはあるが、事象の全てに
統一性が無くバラバラだったこと
事柄が複合して起こる可能性はあると仮定して
色々な可能性を予想していたが
最悪の予想が当たってしまったということか・・・。
智則「ちょっと、待てよ
どういうことだよ
透明「聞こえないよ
智則「くっ
智則くんの悔しさが溢れてくる
透明「やれやれ
智則「で、でも
透明「落ち着けって
君は、この光景をどう見る
智則「俺・・・騙されて・・・。
ハハハッ
透明「ふ~っ
智則「えっ
透明「智則くん
あったんだよね
智則「悩みって
透明「・・・与えられた情報を、ただ受け取る
だけでは、何も得られないよ
智則「えっ
透明「今の状況を精査してごらん
交通事故で大怪我をしたお父さんはいない
精神的な病気にかかったお母さんもいない
不幸なお姉さん夫婦も病気の子供もいない
智則「だから、騙されて
透明「こんな絵に描いたような幸せを何故、不幸と
見せたかったんだろうね
智則「えっ
透明「良いかい
受感し、情報を精査し、落とし込む・・・。
さっきやったばかりのことを、もう一度おこなってごらん
智則「・・・・・・あっ
透明「気がついた
智則「はい
病んでいるのは、彼女なんだ
透明「そう
嵌ってしまっている・・・。
そして、その原因となったのは、あそこにある
空っぽの犬小屋だよ
智則「
透明「飼い犬のことは、本当なんじゃないかな
智則「そのせいで
透明「彼女にとっては、大切な家族だったんだよ
智則「・・・・幸せそうな家族ですね
透明「そうだね
智則「でも、ここに愛犬がいたらもっと幸せ
透明「うん
智則「飼い犬を失って、辛い気持ちを一人引きずったまま、
家族の幸せそうな笑顔を見ているのって、
どんな気持ちなんだろう・・・。」
透明「家族が幸せなのは良いことだと理解しているだろうけど、
それでも、複雑なんだろうね
智則「彼女・・・笑顔が引きつっている・・・。
二年も前のことなのに・・・。」
透明「悲しみに時間は関係ないさ
さて、智則くん
智則「・・・・救いますよ
透明「そっか
さあ、そろそろ戻ろうか
智則「はい
私達は、視点を事務所に戻した・・・・。
続く・・・。
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