原点へ・・・。・20

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原点へ・・・。
・20
兵助「雪乃
大丈夫か
」
雪乃「・・・うっ
・・・うる・さ・い
傷・に・・響く・・・。」
兵助「す、すまん・・・
」
兵助は、いつも仕事が終わった合図を見て
私のところへ薬をもって駆けつけてくれた


兵助「うっ
・・・ひ、ひどい・・・
」
祟りを鎮め、体中に酷い傷を負った私に、
薬を調合して飲ませ、体中を綺麗な布で覆う・・・。
それを七日間絶えず行い、私もやっと少し動ける
ようになった
兵助「大分良くなったな
」
雪乃「兵助・・・いつも有り難うね
」
兵助「何しおらしいことを
お前と俺は姉弟みたいな
ものだろ
家族を助けるのは当然だ
気にするなよ
しかし・・・。」
兵助の目線が、私の頭に集まる・・・。
雪乃「へへっ
・・・似合うでしょ
お父さんがつけてくれた名前と同じで、
真っ白な雪みたいだと思わない
」
兵助「・・・雪乃・・・
そうだな
意外と似合ってるかもな
」
雪乃「ねぇ、兵助
」
兵助「んっ
」
雪乃「私ね・・・祟りを鎮めた後、お父さんに
会った気がするの・・・。」
兵助「えっ
」
雪乃「お父さん・・・私がそっちに逝きたいって
言ったら、もう少しだけ頑張れって・・・。」
兵助「・・・そうか
きっと、神主様は雪乃のこと、いつも側で
見守ってくれているんだな
それに、雪乃は未だまだ甘いから、もう少し
勉強してから帰ってこいって言ってんじゃ
ないのか
」
雪乃「ぶ~っ
ちょっと、非道くない
確かに、まだ甘いかもしれないけど
もうちょっと優しくできないかなぁ~
」
兵助「あははっ
神主様らしい
」
雪乃「くすくす
・・・そうだね・・・。
ねえ
兵助は、夢ってある
」
兵助「な、何だよ
いきなり
」
雪乃「私ね、今回の祟りを鎮めてみて、初めてわかった
ことがあるんだ・・・。
私のやっていることでは、全てを救えない
祟りも病気も、その根源を絶たなければ
終わらないんだということを・・・。」
兵助「・・・でも、お前は、自分の手に届く人を
救っているじゃないか
それだけでも、凄いことなんじゃないのか
」
雪乃「・・・もっと、力が欲しい・・・。
全ての人を救いたいとは言わなけど、
祟りや病気のように、連綿と続くことを
根本から終わらせることができる力があれば、
きっと、もっと多くの人が自然と救われて行く気が
するの・・・
」
兵助「・・・それが、雪乃の夢
」
雪乃「うん・・・夢・・・目標かな
そんな力を手に入れるためにも、今を頑張る
しかないんだけどね
」
兵助「そっか
」
雪乃「あんたは
私にだけ言わせるのは狡いでしょ
」
兵助「えっ
・・・お、俺のは、お前みたいに
大きな目標があるわけじゃないし
私利私欲な夢だから
」
雪乃「やっぱりあるんだ
どんな夢でもいいじゃない、教えてよ
」
兵助「ううっ
・・・言いづらいのだけど
俺は、自然と一体となりたい
」
雪乃「自然と一体
」
兵助「雪乃は、知っているか
自然には意思があって、人間みたいに
自然の力をもった存在がいるらしいんだ
」
雪乃「霊みたいなもの
」
兵助「そうじゃないんだ
それは、自然から生まれて
育って、また自然を生み出すんだ
この日の本とは違う外の世界では、そんな存在を
妖精と呼ぶんだって
」
雪乃「妖精
」
兵助「もし、俺が自然と一体となれる力を手に
入れられれば、きっと、妖精に教えてもらって
自然の中にあるもの全てが薬になるんじゃないか
と思うんだ
そうすれば、きっと、沢山の病を治すことが
できるようになる
」
雪乃「へぇ~
凄いね
」
兵助「だろ
ま、まあ、それに俺は元々、人と上手くやる
事が苦手だから
毎日妖精と暮らせれば、楽しいんじゃ
ないかと思ってな
」
雪乃「兵助、言葉下手だもんね
」
兵助「う、うるさい
」
初めて未来を切り開こうとする言葉がそこにはあった
今まで夢や目標を持つことを考えたことがなかった私は、
自分の中の変化に少しづつ気づき、何かが変わっていった・・・。
続く・・・。
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