原点へ・・・。・19

原点へ・・・。19

祟りと戦うこと三日目・・・。

そこには、凄惨な光景が広がっていた

床には、多量の血液・・・内臓が侵食され

血管が破け床にのたうち回ること数十回

皮膚も焼けただれたようになり、皮がめくれ

剥き身の神経に痛みがはしる

雪乃「・・・うぅ・・・。」

言葉を発する力もない・・・。

それでも、今できることを必死に行う

雪乃「(・・・沢山の人の声・・・。

   死・・・恨み・・・祟り・・・呪い・・・

   ・・・助け・・・苦しい・・・怒り・・・

   ・・・何故・・・なぜ・・・ナゼ・・・)」

私には、法陣式がよく視え無い・・・形だけが

視えるだけ・・・そこには、何かが言葉として

乗っている・・・そうか・・・声を集めて・・・。

祟りの呪解には、その祟りを構成している言葉を

集め、一つずつその構成言語と相対する言霊を

あてがい相殺してゆく方法がある・・・。

しかし、これは思っているよりも時間がかかる!

それでも当時の私は、力が弱く、その方法にかける

しかなかった

雪乃「(・・・多くの言葉・・・一番・多い・・・

    言葉・・・死・・・違う・・・なぜ

    そう・・この人達は・・・何故の問を・・。)」

祟りは、多くの人間の思念、もしくはとても強い思念が

媒体となり発生する・・・そこには答えの出ない問

含まれているからこそ、永劫の時を紡ぎ続けることが

できるのかもしれない・・・。

雪乃「(・・・うぅぅぅぅ・・・)」

何故だろう・・・涙が次々と溢れ出す

戦で犠牲になった村の皆や父の顔が思い浮かぶ・・・

雪乃「・・・そ・う・だよ・ね・・・。

   納得・・・いか・・ない・・よ・ね・・・。」

祟りの根本を知り、心に変化が起こる・・・。

雪乃「(私が・・・救って・・・あげる・・・。)」

諦めかけていた気持ちに、小さな光が灯ってゆく

その光は、先程までの痛みや苦しみを忘れさせ、

逆にその痛みと苦しみは、祟りをおこした魂達のもの

なのだと感じることができる・・・。

そこからの二日間は、自分でも驚くほど穏やかで、

ひとつひとつの言葉を呪解することができていた

そして・・・。

雪乃「・・・・

もう、言葉は出なかった・・・ただ、想いだけが

宙を待っている・・・。

雪乃「(・・・皆・・・終わったよ・・・もう・・・

    苦しむことは・・・無いからね・・・

    でも・・・悔しいなぁ~・・・全てを・・・

    救うことができなかった・・・

    姫が子を産めば・・・また・・・同じことが

    繰り返される・・・私の力では・・・

    全てを消し去ることは・・・できなかった。

    でも・・・もう・・・。)」

意識が身体から、離れてゆく感覚がある・・・。

私は、そんな中、夢を見ていた

雪乃「(温かい・・・。)」

誰だろう両手で抱きしめられて・・・。

この温もり・・・覚えてる・・・お父・・さん・・・。

雪乃・・・よく頑張ったね・・・でも、もう少し

 ・・・もう少しだけ・・・頑張ってごらん・・・。」

雪乃「(・・・ぐすっ・・・お父さん・・・。

    私・・・もう・・・お父さんのところに

    いっちゃ・・・おとう・・さん・・・)」

もう少し・・・もう少しだよ・・・

チュン

    「チュン

優しい風が頬を撫ぜる

雪乃「・・・おと・・う・さん・・・

十八歳の春・・・祟りは鎮まり、私は生き残っていた

      
          続く・・・。

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