原点へ・・・。・15
原点へ・・・。・15
禁精呪術医師のもう一つの仕事・・・それは・・・。
僧正「・・・雪乃・・・。」
雪乃「天岱様、そのままで・・・。」
寺院の東にある小さな小屋が私の住まい兼仕事場だ
ここなら、風が吹いて、私の病気が風に乗り
周囲に影響を及ぼくことは無かった・・・。
私は、訪れてくれた天岱様を中には入れず、
失礼ながらその場で話を進めてもらう
雪乃「中に入っては、病魔がうつりますので、
お許しください・・・。」
僧正「・・・・雪乃・・・身体はどうじゃ」
雪乃「おかげさまで・・・今患っている病魔は、
打ち消せそうです・・・天岱様・・・。
今日は、何か」
僧正「う、うむ・・・領主様からの言伝が
あっての・・・お前の様子次第では、
断ろうかと思っているのじゃが・・・。」
雪乃「・・・お受けいたします・・・今の病魔が
落ち着き次第でもよろしいですか」
僧正「・・・雪乃・・・無理はしてはいかんぞ
話を持ってきて、言えたギリではないのだが」
雪乃「大丈夫です
天岱様は、最後までこの仕事を反対してくれました
・・・そのお気持ちだけで十分理解しております
ですから・・・私には気をお使いにならないでください。」
天岱様に伝える声が弱々しい・・・。
僧正「・・・雪乃・・・」
天岱様が持ってきてくれた仕事は、私にしかできない
仕事だった・・・。
領主様の元に、隣国の偉い方から依頼が舞い込んで
来たとのこと・・・それは、形替え・・・依代としての依頼
禁精呪術医師は、病気を治す薬をその身で作ることだけが
仕事ではない
時には、祟りや霊障の類をその身に請け負い、浄化・除霊を
することもある・・・しかし、私に依頼が来るときは、
大体が最後だ・・・。
霊能の力を有した者、神主、僧侶が、諦め生贄的に形代を求め、
使われるのが、禁精呪術医師の持ち回り・・・と認識している
もちろん、そんな依頼がいつかは来るとわかっていたのだが、
いざ、受けるとなれば足が竦む
それでも私は、自分が何かの役に立つのであれば
そう自分に言い聞かせ、細くなってしまった腕に力を入れ、
依頼を請け負う
僧正「・・・雪乃・・・すまん・・・」
雪乃「大丈夫で・す・・・。
領主様からの依頼となれば、お受けしなければ・・・」
時代か・・・当時、領主の願いは絶対・・・。
断れば、天岱様が罰せられ、村の年貢も高くなる
わかってはいるが辛い選択を、天岱様は強いられている
僧正「雪乃・・・辛ければ・・・」
天岱様のやりきれない気持ちが流れ込んでくる
雪乃「天岱様雪乃は大丈夫です
私にも、神様からいただいた、不思議な力があります
きっと、相手を説き伏せ、成仏させてみせますから」
精一杯の強がりだった
こうして、数日後
依頼者が、私の社へ到着する・・・。
続く・・・。
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