原点へ・・・。・11
あれから一ヶ月・・・私に話しかける者は
ほとんど居なくなっていた・・・それと同時に、
村には流行り病が流行・・・弱り目に祟り目とは
このことであった・・・。
兵助「大丈夫か
雪乃「うん
兵助「まあ、薬が足りないからな
新しい症状の病は、何が効くのかが、
わからないから、仕方がないよ
雪乃「兵助は、偉いね・・・。」
兵助「そんなことは
雪乃「ううん
私なんか・・・人の眼が怖くて、毎日
震えているだけ・・・。
私も、何か手伝えれば良いのだけど・・・
兵助「・・・いや
人の噂もなんとやらだ
もう少しおとなしくしていればきっと・・・。」
雪乃「でも・・・私は・・・
兵助「・・・・・わかった
みるから、待ってろ
雪乃「天岱様に
兵助「ああ
と思うから
雪乃「・・・う、うん・・・。」
兵助は、いつも私を気づかってくれていた
でも、その心が私には痛かった・・・
後日、天岱様が山から降りてきてくれた
僧正「雪乃・・・息災だったか
雪乃「はい
僧正「なかなか、来ることができず、すまなんだな
雪乃「いいえ
聞いていましたから・・・。」
僧正「そうか・・・そうか・・・。」
天岱様は、何かを言おうとしているが、
切り出せないでいた・・・。
天岱様が、私としばらく距離をおいていたのは、
忙しいだけではない・・・それは、私が一番よく
わかっていた
雪乃「天岱様
僧正「お、おお
雪乃「今からお話するのは、私の身の振り方です
僧正「
雪乃「私は・・・穢れた身です・・・。
ですから、もう、神事を行うことができません
僧正「お主・・・わかって・・・
雪乃「はい
天岱様が私と会わないでくれた理由・・・それは、お立場上、
穢れてしまった私をいつまでも、ここに置いておけない
つまり、引導を渡さなければならない身であることだと
私は薄々気づいていた・・・。
僧正「雪乃・・・どうじゃ
一度、村を離れてみんか
雪乃「村を・・・。」
僧正「そうじゃ
何もない
儂の知り合いに、小さいが問屋をやっている者がおる
そこで、奉公しながら、普通の暮らしをしてみんか
雪乃「天岱様・・・私は・・・。」
次回、運命を分ける答えを伝えます・・・。
続く・・・。
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