原点へ・・・。・10

原点へ・・・。10

数日の時間が流れていた・・・

村は、徐々に復興の兆しが見えてきていた

しかし、田畑は荒れ、家を失った者、

家族を子を、親を失った者の心を回復させるには、

時間が足りなかった

失ったモノが多すぎる・・・。

子供「おねぇちゃん・・・何で神様は、

   助けてくれなかったのかなぁ~

親を失った子供が問いかけてくる・・・。

雪乃「(こんな時、父ならどう答えてあげるのだろう)

   神様は、守ってくれたよ

子供「えっ

雪乃「君や他の人も私も・・・生きているでしょ

子供「でもとうちゃんは

雪乃「神様も直接は守ることができないんだよ

   (あの時、占いの結果を村の皆に伝えていたら。)

   それでも、多くの人の命を守ってくれた・・・。

   (神様は、前もって警告してくれていた・・・。)

   本当は、争いなんてなければ、こんなに奪われる

   ことは、なかったんだよ

   (私なんかを、守ろうとしたばかりに・・・。)

   神様は、皆に平等のお立場だから・・・。

   (人間の心の闇・・・。)

   奪ったのは、同じ人間であって神様じゃない

   (誰かのせいにしたい、何かのせいにしたい・・・。)

   奪った相手も、神様からすれば、守らなければいけない

   人間だったのだから

   (くっ・・・私は何を・・・。)

   それでも、私達は生かされたんだ

   だから、きっとやらなくちゃいけないことが未だ

   残っているんだと思う

   (私のやらなくちゃいけないことって)

   残された私達は、いなくなってしまった人の分まで、

   頑張って生きていかなくちゃいけないんだよ

   (生きること・・・それって、どういうこと何だろ)」

子供「う~~~ん・・・よくわかんない

雪乃「そうだよね・・・わかんないよね・・・。

   私も・・・同じ・・・

ザッ

雪乃「

村人「雪乃

雪乃「

村人「どういうことださっき、お侍さんが

   話しているのを聞いたんだ

雪乃「えっ

村人「今回の戦が起こること・・・最初からわかっていた

   んじゃないのか

雪乃「・・・。」

村人「どうなんだお前・・・まさか

雪乃「ちが・・・

大内「こらっ

村人「お、大内様

大内「雪乃殿は、何も知らん

   この度の戦は、儂らが予想していただけじゃ

   人のせいにしたいのはわかるが、同じ苦しみを

   味わっている者を責めるなど、してはならんぞ

村人「・・・はい・・・。」

村人は、納得のいかない顔つきで、その場を後にする・・・。

雪乃「大内様・・・

大内「すまぬな他の者が口を滑らせたらしい

   今回のことは、お主のせいではない

   今後はこういった事が無いように、儂からも

   キツく言っておくので、許されよ

雪乃「・・・ごめんなさい・・・

大内「雪乃殿が謝ることではござらんよ

   気にするでないぞ

雪乃「はい・・・

心が痛い・・・私は、どうすれば・・・。

この日から、私に対する村人の目は、徐々に

闇をたたえた視線に変わっていっていた・・・。

     
         続く・・・。

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