原点へ・・・。・4
師匠「雪乃・・・して
雪乃「・・・・・
神事の占い方法は様々で、この時代の占いは、
もっぱら、自然物を媒体にそこに出る相を読み取る
方法が用いられていた・・・。
ここでは一年を通して御神体に奉納し、乾燥させた
御神木の枝を割り、その相を読み取る
雪乃「お師様・・・こんなの初めてです
師匠「どういうことじゃ
雪乃「・・・・葉触り(はふり)は了として、
豊穣は成すと出ますが・・・そのことが
訃と出ています・・・これは一体・・・。」
師匠「・・・・それは、確かなのだな
雪乃「はい
師匠「・・・もしや
雪乃「お師様
師匠「・・・・少し、皆と話してくる
お前は、儀式をまとめ、神への奉納を
納めておいてくれ
雪乃「わかりました・・・
師匠は、慌てて村の代表である比治様と僧正様の
元へ
私はわけも分からず、ただ祭事をこなしていた
しばらくして・・・
僧正「雪乃、ご苦労だったな
雪乃「僧正様
僧正「うむ
雪乃「はい
僧正「お前が占った、あの結果は確かなのか
雪乃「は、はい
僧正「そうか
なされなかったのか
雪乃「そうなんです
御神様から賜った現世の結果をみてから、
問いかけには、お応えくださらないのです
僧正「・・・そうか
しれんなぁ~
雪乃「
僧正「よいか雪乃
この度の結果は、決して他言してはならんぞ
雪乃「えっ
僧正「お前のためじゃ
雪乃「は、はい・・・
この時の私は、結果の真意が取れず、ただ悶々としていた
結果に良い面と悪い面が存在することは何となくわかって
いたのだが、それが一体何を表しているのか
何故、そのことを口にしてはいけないのか
わからないことだらけだった・・・。
祭事も終わり、村の皆が帰った頃、私は久しぶりに合う
兵助と話をしていた
雪乃「はぁ~~~
兵助「お前なぁ~
雪乃「だって~
兵助「まったく
あっ
最近、天候も芳しくなかったから、良かったな
雪乃「う、うん
兵助「
雪乃「そ、それが・・・よくわからないんだ
兵助「どういうことだ
私は、兵助に今日あったことを話してみる・・・。
兵助「・・・・・それって・・・・
雪乃「兵助、わかるの
兵助「い、いや、でも、それって
雪乃「わかるなら、教えてよ
稲や作物は実を成し、豊穣を約束されている
しかし、その豊穣が不幸を招く・・・。
まだ若く、世間を知らない私には、理解ができない
結果であった・・・。
次回、兵助の口から思いもよらない言葉が・・・。
続く・・・。
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