原点へ・・・。・3
雪乃「お師様、準備整っております・・・。」
神主「おお
雪乃「はい
神主「神は降りてこようか
雪乃「はい
神主「よし
五穀豊穣・・・その地域で一番の祭りは、
春の息吹を感じた頃に行われる
この日は、神社と一体となっている仏閣からも
豊穣の為の経を読む僧が幾人も降りてくる
僧正「雪乃
雪乃「はい
僧正「しかし・・・不思議な娘よなぁ~
幼い頃より現し世とはかけ離れた場を見て
とれる眼を有するとは・・・。」
雪乃「忌むべき眼でございます
僧正「ふむっ
雪乃「はい
この頃の神仏の序列は明確で、とくに人が統べる
神社仏閣では、位が2つほど離れていた
神を奉る神社よりも仏を奉る仏閣の方が
人からの信仰も厚く、位も高かったのだ・・・。
私は、後ろを向きながら舌を出しつつも、
神楽舞の準備をする
「ドン
雪乃「きゃっ
雪乃「
まだ生きてたのか
雪乃「はいはい
まだ、僧名ももらってない半人前が、
何のようですか
兵助「くっ
この嫌味な奴は、兵助と言う・・・。
雪乃「・・・・
兵助「・・・・
雪乃「ぷっ
兵助「あはははははっ
二人は、身寄りのない幼馴染みだ
雪乃は、神社へ
幼い頃より喧嘩ができる唯一の友達だった
雪乃「はははっ
兵助「ああ
そう言えば、俺、僧名もらったぞ
雪乃「本当か
兵助「うん
正直、兵助のままで良いんだけどな
雪乃「おめでとう
浄療か~
名前じゃないか
さすが、天岱(てんだい)さん
兵助「し~~~っ
後で怒られるだろ
今日は何時にも増しておっかねぇ~んだから
雪乃「くすくす
いつもなら、ゆ~き~の~
って、信じられない声出すのにね
兵助「僧正様がそんな声だすの、お前にだけだから
普段から、本当に厳しくて怖い師匠なんだぞ
雪乃「あんたのデキが悪いからじゃないの
兵助「うっ
そんな話をしている中、祭りが始まる
皆、緊張しながらも祭りは進み、今年の豊穣を
願う人々の想いが宙を舞っていた
その想いを神楽舞で集め、神に奉納する・・・。
全ての行事が終了する頃には、神からの啓示を賜る
占いの様な儀式に移り、今年を占う
次回、占いの結果が・・・。
続く・・・。
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