【ご質問にお答えします】自分だけが取り柄も好きなこともできることもなく取り残されてつまらない人間に思えます
ご質問にお答えしますコーナーをつくりました。鑑定が必要な個別のご質問にはお答えできませんが、「真木あかりは○○についてどう考えているか?」といったことがありましたらお気軽にこちらからお寄せください。ほうぼうに配慮が必要なものはご回答を控えさせていただくことがあるかと思います。ご了承くださいね。シンプルなものはTwitterで、しっかりとご回答したいものはブログで書いていく予定です。
今回はこちらのご質問です。
自分が嫌だと思ってしまう時間は、本当に辛いものですよね。
最初に申し上げておきますが、私はここであなたを否定するつもりもいじめるつもりもまったくありません。あなたが嫌だとおっしゃっているあなた自身も、そんなに嫌うべきところもないんじゃないかと思っているくらいです。むしろ、あなたがこれ以上辛い思いをしないでいられるために、ベストと思われることをご提案しようと思ってここからの文章を書きます。もし、今のままのご自分でいることが、自分が嫌、ネガティブな気持ちにびびる以上に重要だと思われているようであれば、おそらくこの回答はご納得いただけないと思います。そのときは、出過ぎたアドバイスと思ってスルーなさってください。
というわけで結論から申し上げますと、断ち切る・断ち切らないといったことはどちらでも大丈夫です。大事なことは、あなたがあなたを「つまらない人間だ」と思わずにいることだからです。自分をつまらない人間だと思っていると、本当につまらない人間になります。「今思うことはそのようになる」という言葉で危機を感じるべきなのは、そこなんですね。
あなたがあなたを肯定してあげない限り、いくら「周りは気にしない」と思っても、どうしても気になってしまうのではないでしょうか。自分が嫌だ、ネガティブで怖いと思い続けてしまうのではないでしょうか。そこにいる限り、どうしても「自分が嫌」のループからは抜け出せないのです。あなたがお友達を応援できないのは、嫌な子だからではありません。あなたの本心が、「私も友達みたいに、すごいなと思われたい」と叫んでいるからです。
ここでいったん、やりたいことが見つからなくてむなしい日々を過ごしていた人のエピソードをご紹介しましょう。夏目漱石といえば近代日本文学を代表する文豪として知られていることは、あなたもご存知だろうと思います。華々しい功績を残した人です、いかにすばらしい青年時代であっただろうと思うのですが、「私の個人主義」と題する講演で下記のように語っています。大学卒業後、英語教師となった時代の話です。
「腹の中は常に空虚でした。空虚ならいっそ思い切りがよかったかも知れませんが、何だか不愉快な煮え切らない漠然たるものが、至る所に潜ひそんでいるようで堪まらないのです。しかも一方では自分の職業としている教師というものに少しの興味ももち得ないのです。私は始終中腰で隙があったら、自分の本領へ飛び移ろう飛び移ろうとのみ思っていたのですが、さてその本領というのがあるようで、無いようで、どこを向いても、思い切ってやっと飛び移れないのです。
私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当がつかない。」
漱石はこの講演で「教師になったというより教師にされてしまった」とまで言っています。そこまで言うと生徒が気の毒にも思えますが、彼のことですからわりと真面目に教えていたのではないかとは思います。そしてこう続けるのです。
どこからか一筋の日光が射して来ないかしらんという希望よりも、こちらから探照灯を用いてたった一条で好いから先まで明らかに見たいという気がしました。
そして日本の文壇に光明を投げかけようと、文芸とは関係のない読書にふけり、科学や哲学の思索にふけるようになったと書かれています。そして、あの華々しい文学的功績を残したというわけです。
好きなこともない、取り柄もないと思うときがあっても、それ自体はいけないことでもなんでもありません。いけないのは、自分を「好きなこともない、取り柄もない子」という枠に閉じ込めることです。あなたが自分をそう思っている限り、あなたはずっと「好きなこともない、取り柄もない子」になってしまうからです。そんなの、自分がかわいそうではありませんか。
漱石が自分から動こうと思ったように、あなた自身が「自分の好きなことを探そう」「取り柄をつくろう」と思わない限り、あなたが今抱えておられるモヤモヤは解決しにくいだろうと思います。解決したとしても、一時的なものです。そんなの、しんどいのではありませんか。でも、あなたが好きなことというのは、自分で見つけるしかありません。誰かが見つけてあげられるものでは、ないんですね。
あなたは嫌な子でも、つまらない人間でもないです。でも、そう思ってしまう状況から開放されるために現れる救世主は、ほかならぬあなた自身です。だから周りを気にしないことでごまかしたり、断ち切ることで今をしのいだりするのは、私はお勧めしません。あなたがまた同じことで苦しむのは、私は嫌だからです。
すごい人だって、最初からずっとすごいわけじゃないんですよね。きっと、あなたのような時期を経てすごくなっているんです。みんなそうだから頑張れ、なんてことは言いませんけれども、あなたはきっと「すごくなる途中」なだけなんだと思いますよ。
自分に対してだけ「好きなことがある」のレベルを上げ過ぎていませんか。「すごい取り柄じゃなきゃ価値がない」なんて思っていませんか。がんばり屋さんほど、他人の努力は大きく見て、自分の努力は小さく見ることが多いのです。あなたはひょっとして、どえらいがんばり屋さんなんじゃないでしょうか。
ちなみに、私が卒論を指導してもらった心理学の先生は「やりたいことがない」という子どもの親御さん向けに、こんなアドバイスをしていました。
やりたいことがないのは、いけないことではありません。やりたいことは、見つけるものではなく見つかるものです。そのためにも、たくさんの経験をさせてあげてください。ドキドキ、ワクワクをたくさん経験すれば、お子さんはきっとやりたいことが見つかるはずです。
素敵なお友達をわざわざ断ち切ることも、ないのではないですか。それよりも、興味を引かれるものにアクセスしてみる、おもしろそうだと思ったら動いてみる。そうしたことが、今のあなたの力にーーいえ、これからずっと生きていくあなたの力になるのではないかと、私は考えています。
ひどい、突き放されたと思われたようでしたら、ごめんなさいね。
私に質問してくださって、ありがとうございました。
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noteで暗い日記を書いています。正直なところ、どうして自分がこんなに暗い日記を書いてしまうのかわかりませんw 多分暗いのでしょう。