原点へ・・・。・17
原点へ・・・。・17
祈祷も終わり、私の身体には祟りが
浸透してきている・・・。
雪乃「(・・・こんなにも苦しいものなの
この方は、平然としていたけど、
きっと、かなりお辛かったのだろう・・・)
姫様・・・終わりにございます」
女性「」
立ち上がった女性は、自分の身体を隈なく見ている
そして・・・。
女性「なんと・・・なんということなのでしょう・・・。
うううっ・・・これが、私の・・・本当の・・・」
突然、両手で顔を覆う女性は、祟りが祓われた
自分の身体に戸惑いながらも、今までの苦しみを
振り返っているようにも思えた・・・。
女性「ゆ、雪乃・様・・・本当に・・・ありがとう・・・」
初めて会った時と比べ、別人のように温厚な面持ちを
携えた女性がそこにいた
雪乃「姫様の憑き物は、私の中にいます
もう、姫様に戻ることはございませんので、
ご安心してお休みください・・・」
女性「・・・雪乃様・・・お辛くは無いのかえ
苦しくはないのかえ」
雪乃「私は大丈夫です
ささっ、こんな場所からは一刻も早くお出になって
ください・・・後は、私が・・・。」
お付の者に支えられながら、社を後にする女性は、
何度も何度も頭を下げ、山を降りていった・・・。
人は苦しみの中、誰にもわかってもらえない孤独と、
救われない絶望に苛まれ、自分自身を見失ってしまう・・・。
そういった中、救いの手を差し伸べるということには、
ただ単に病魔や祟り、呪いを祓うということだけではなく、
その人の苦しみや悲しみを理解し、心を救うことが
一番大切なのだと気付かされることが多い・・・。
人が人を恨み、呪い、祟る・・・そのことで病魔に
侵される者、悲しみの淵に落とされる者、
救われない心を持つ者が横行するこの時代には、
沢山の救いが必要だと心の底から感じていた
人が笑顔になってくれる・・・心が救われる
私は、この仕事に生きがいを感じていたのかもしれない
そして、それは自分自身をも救ってくれていた・・・。
人が幸せを感じる時、そこには自身の生きがいと救いが
同居しているのだということを、この時の私は、実感して
いたのかもしれない・・・。
「ズキン」
雪乃「くっ・・・さてどちらが先に根を上げるのか
生き残るための戦を始めましょうか」
祟りとの戦いが始まる・・・。
続く・・・。
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